夫婦のお金の話し合い|共通の支出と、自分で決める範囲を分ける

お金の話をすると、相手を疑っていると思われそう。反対に、使った物を一つずつ説明するのはつらい。夫婦やパートナーの間で、何を共有し、どこを自分で決めたいのか迷うことがあります。この記事は家計診断や金融商品の助言ではなく、話し合う範囲を整理する一般情報です。公的資料の紹介と、編集上の会話例・メモの提案を分けて記します。

最初の議題は、残高ではなく困っている場面でもよい

豪州の金融監督機関ASICは、2013年の公表資料で、二人の目標、お金との付き合い方、支払いの担当、共通のお金と個人のお金を話題に挙げています。ここでは対話の視点だけを参考にし、海外の金融制度や契約の説明を日本の暮らしに当てはめることはしません。

最初から全口座の数字を並べるのが難しければ、最近困った場面を一つ選ぶ方法があります。例えば「一緒に使う物を立て替えた時、いつ相談すればよいか迷う。次からの決め方を話したい」です。「浪費家だ」「細かすぎる」と人物を評価するより、何を決めたいのかを示すための会話例です。

今すぐ支払いに間に合うかという問題と、普段の使い方への気持ちは、別の議題にできます。期限が迫った問題を後回しにせず、今日確認することと、改めて話すことを書き分けてみます。

「二人のお金」に何を含めるかを、具体的に確かめる

同じ家で暮らしていても、「生活に必要な物」の範囲が一致しているとは限りません。例えば、一緒に使う家電、各自の趣味の道具、家族への贈り物では、誰が決めると思っているかが違うこともあります。どちらが常識的かを争う前に、分け方のずれを確かめる余地があります。

整理用の紙を「共通の支出」「各自で決める支出」「まだ決まっていない支出」の三つに分けるのは、編集上の提案です。分類が違った物は、相手の間違いではなく、これまで合意できていなかった項目として残します。通帳の共有や口座の一本化を、この話し合いの前提にしなくても構いません。

事前の確認と、一つずつ許可を求めることを区別する

共通の支出に影響する買い物を先に話すことと、個人の小さな買い物まで片方が審査することは、分けて考えられます。「相談して」と言う時は、金額、継続する支出か、二人の予定に関わるかなど、何を気にしているのかを言葉にしてみます。

会話例は「家計に響く支出は先に話したい。一方で、それぞれが自分で使い道を選べる範囲も残したい」です。ここで示すのは考え方で、全家庭共通の金額や負担割合ではありません。収入の多さだけで、片方の希望や必要な支出を軽く扱わないようにします。

同意できない項目を、沈黙しているから決定済みとは扱わず、未定として残します。支出への合意を急がせたり、愛情の証明として通帳や暗証番号を渡すよう求めたりしないことも、対話の境界線です。

決めた内容には、変わった時の連絡方法も添える

一度納得した分担も、収入や働く時間、家族の事情が変われば、続けにくくなることがあります。「前に決めたでしょう」で話を終える前に、今の条件で無理がないかを確かめる方法があります。見直す目的は、誰かを責めることより、次の支払いで困らない段取りを考えることです。

メモには、共通で負担する項目、今は未定の項目、支払いが難しくなった時に伝えること、次に確認する日を短く残せます。相手が黙ったままなら合意済みと書かず、双方の理解が合っているか確認します。数字の計算が行き詰まっているのか、希望を聞いてもらえないのがつらいのかも、分けて考えられます。

生活費の制限や怖さがある時は、交渉より先に相談する

内閣府男女共同参画局は、生活費を渡さないことや仕事を制限することを、暴力の形態の例に含めています。使えるお金を奪われる、生活に必要な支出を申し出ると脅されるなどの場合は、単なる好みの違いや、説明不足として片づけないでください。

怖さがある中で、このページを相手に見せて説得したり、二人だけで決着をつけたりする必要はありません。安全に連絡できる方法で、公的な支援先に今の状況を相談してください。法律上の扱いや今後の対応は、この記事だけで判断しないでください。

内閣府のDV相談ナビは、電話番号 #8008 から近くの配偶者暴力相談支援センターにつながります。通話料がかかり、受付は各窓口の時間内です。つながらない回線もあるため、下の内閣府の案内で直接の相談先も確認できます。関係をどうするかの結論より先に、自分の生活と安全を守るための相談を選べます。