飲酒と性的同意|酔っている時の返事を決めつけないために
公開日 2026.09.21
お酒のある席で、パートナーが普段より親しげに見えることがあります。けれど、その様子から性的な接触への希望まで読み取ることはできません。大切なのは返事をもらうことだけでなく、本人が状況を理解し、自由に選べる状態にあることです。この記事では公的資料をもとに、飲酒がある場面で同意を決めつけないための考え方を整理します。個別の出来事について、犯罪の成立や責任を判断するものではありません。
一緒に飲むことと、性的な接触への同意は別です
食事やお酒を一緒に楽しむことに応じても、そのあとに何をするかまで承諾したわけではありません。「二人で飲みに来たのだから」「楽しそうだったから」という推測で、相手の意思を埋めないようにします。
英国の公的医療機関NHSは、酔っていること、沈黙、過去に同意したこと、夫婦や恋人であること自体は同意ではないと説明しています。これは相手の気持ちを確かめずに進める根拠にはできない、という基本として読めます。英国の制度や法律を、そのまま日本の個別の出来事に当てはめる記事ではありません。
会話できるように見えても、判断の根拠にしない
内閣府の案内では、薬物やアルコールの影響で、意識や記憶がない場合があるとされています。特に薬物の影響では、会話や歩行をしていても、その時の記憶が残らない場合があると説明されています。表面上の受け答えだけで、本人の状態を判断することはできません。
「何杯までなら大丈夫」「歩ければ同意できる」といった独自の基準をつくらないことが大切です。眠っている、意識がはっきりしない、意思を確かめられない時は、性的な接触を進めないでください。返事を繰り返し求めれば確認できる、とは考えないようにします。
迷った時は、説得せずにその場を止める
相手の返答に迷いや曖昧さがある時は、「本当は嫌ではないはず」と解釈するより、そこで止めることを選べます。誘った側にも、お酒を理由に、確認できないまま進めてよいということはありません。
例えば「今日はここでやめよう。今、返事をしなくていいよ」と伝える言い方があります。これは編集上の会話例で、特定の言葉を言えば同意が成立するという意味ではありません。止めたあとも、断った理由の説明や、別の日の約束を交換条件にしないことが大切です。
飲む前の約束も、あとからの返事も代わりにはなりません
飲む前に親密な時間を過ごすつもりだったとしても、それを、その後どのような状態でも進めてよいという許可にはできません。NHSの案内でも、同意は途中で撤回できると説明されています。予定より、今の本人の意思を尊重します。
また、翌日に話し合えたとしても、その返事を前日の同意として扱わないようにします。「昨日は嫌じゃなかったよね」と結論を求めるのではなく、相手が話すかどうかも選べる余地を残します。思い出せない部分を、推測で埋めるよう求める必要はありません。
記憶が曖昧でも、相談をあきらめなくて大丈夫です
身に起きたことが気になる時、「自分も飲んでいたから」「うまく断れなかったから」と、自分を責める必要はありません。内閣府は、記憶が曖昧だったり、うまく話せなかったりしても相談をあきらめないよう案内しています。被害かどうかを一人で結論づけてから連絡する必要はありません。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターには、全国共通番号 #8891 から相談できます。つながらない電話回線もあるため、その場合は末尾の内閣府の一覧で地域の連絡先を確認してください。けがや体調の異変がある時は医療機関へ早めに相談し、記憶が戻るまで待たなくて構いません。